無人駅が、ものづくりの始発駅に。

こんにちは。鉄道員(ぽっぽや)社長の柴田です。

無人駅が、ものづくりの始発駅に…
そんなチャレンジがいま、一つずつ、カタチになっています。

ところは岩手県、JR山田線。
ここに「上米内駅」(かみよないえき)という無人駅があります。

この無人駅が2020年4月29日、漆(うるし)工房のある駅として生まれ変わりました。
待合いにはカフェを併設、そこで漆製品も販売しています。

「漆のことを知ってもらいたい。漆で地域を元気にしたいんです。」
そんな風に語ってくれたのが、この企画の仕掛人、細越確太さんです。

漆は地元の名産ですが、年々生産量も生産者も減ってきています。
なんとかして、地域の名産と人々の元気を次代につなげたい…。それが細越さんのアツい思いでした。


この無人駅のリノベーションは、JR東日本スタートアッププログラム2018が契機となりました。
共創パートナーは㈱CAMPFIRE。同社の展開するクラウドファンディングを活用して、地域を活性化できないか…。そんな思いから、共創プランを練り上げました。

そして生み出したのが、「地域にチカラを!」プロジェクトです。
CAMPFIREとJR東日本が協業して、地域を活性化・魅力的にするアイデアの実現にチャレンジする、クラウドファンディングの仕組みです。

「地域にチカラを!」プロジェクトでは、新たな地産品の開発や無人駅の有効活用のアイデアを一般公募しました。
そうしたところ、無人駅を活用したい!という36件もの興味深いアイデアが寄せられました。

その一つが、細越さんの思いのつまった、上米内駅のリニューアルプランでした。
「イーハトブの里山に、無人駅を活用したカフェと工房を作りたい。~ウルシで地域にチカラを!」
2019年春にクラウドファンディングを実施したところ、154人の方から約120万円の支援をいただくことができました。

そして新しく生まれ変わったのが、上米内駅です。
ウルシが地域にチカラを与えてくれました。ご支援いただいた皆様、本当に有難うございます。
新しい駅の漆工房・カフェはもちろん、近隣には自然豊かなイーハトブの里山がありますので、あわせて散策も楽しんでみてください。


もう一つ、クラウドファンディングを実行したプロジェクトがあります。
それが、新潟三条にあるJR上越線の無人駅「帯織駅」(おびおりえき)です。

「無人駅を活用して燕三条地域の産業発信地と交流拠点にしたい!」
そんなアツい思いを寄せてくれたのが、地元・燕三条の町工場㈱ストカの齋藤和也さんでした。

燕三条のものづくり技術をもっとたくさんの人に知ってほしい。世界に誇る金属加工等の技術を体験できる駅をつくりたい…。
そんな地元愛あふれるプランは、154人の支援者から約330万円の資金を集めました。
そして、他に類を見ない、駅を工場にするという一大リニューアルが実現。去る10月1日に、「EkiLab帯織」(エキラボおびおり)がオープンしたのです。

齋藤さんは、「若者たちに可能性を共有する場を提供したいんだ」とも言っています。
そうした思いに賛同した地元の若手技術者の皆さんと一緒に、㈱ドッツアンドラインズを設立。この新しい交流拠点「EkiLab帯織」を起点に、ものづくりの様々な仕掛けをしていくことを企画しています。

その一つが「EkiLabものづくりアワード2020」です。
あなたのアイデアをカタチにするプロジェクト。今回は「旅」にまつわる商品のアイデアを募集。優れた提案を、EkiLab帯織をはじめとした燕三条の技術で具現化します。
ぜひ、これがほしいという商品、あったらいいなというアイデアを、どしどしお寄せください。
※詳細はこちら


上米内駅と帯織駅。無人駅をものづくりの始発駅にするプロジェクト。
あらためて、ご支援いただいた皆様、そしてアツい思いをお寄せいただいた細越さん、齋藤さんはじめ地域の皆様、本当に有難うございました。
「無人」駅を生まれ変わらせるのは「人」であるということを、強く学びました。

細越さん、齋藤さんとは、現地でいろいろな夢を語り合いました
上米内と帯織でものづくりコラボしたいね!とか、無人駅の東京出張所がつくれたら面白いね!とか…。

夢は実現できる…。それも今回のプロジェクトで得た学びです。
もちろん、本気で実現したいと思っています。無人駅を、夢の始発駅にしていきましょう!

皆さん、よろしくお願いします。

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