「JR東日本スタートアッププログラム2018」発表会

こんにちは。鉄道員(ぽっぽや)社長の柴田です。

先日(11/29)、「JR東日本スタートアッププログラム2018」発表会を行いました。

「JR東日本スタートアッププログラム」。今年で2回目になります。
でも、私たちJR東日本スタートアップができてから、そしてこのプログラムの運営を担うようになってからは初めて。
たぶん、いろんな想定外のことやヤバいことも起きると思います。
だけど、多少の失敗には目をつぶってください。なぜなら、スタートアップって、「失敗しながら成長していく」ものなので…。

…そんなことを、開会の挨拶で話してから、開会宣言となりました。
当日の模様を、ダイジェスト動画にまとめておりますので、お越しになれなかった方はぜひご覧ください。

当日は、一般企業の皆様やJR東日本グループの方を含めて、約300人が来場
一部の方は、第2会場へのご案内となり、映像・音声のみでのご観覧となりました。大変申し訳ありませんでした。

さて、この発表会に臨むのは、採択した23社(人)のスタートアップたち
アクセラレーションコース18件、インキュベーションコース5件。
いずれも、この夏にキックオフミーティングを行ってから、JR東日本と一緒になって、共創プランを練り上げてきました

正直、23件ぜんぶが発表までたどり着けるとは思っていませんでした。いくつかは脱落するんだろうなって覚悟も。
でも、スタートアップの皆さんの、「夢を実現したい」っていう思い、強いですよね。
皆さん、驚異の粘りで、無理難題を乗り越えて、今日この場までやってきました。ほんと感動です

だから、23件ぜんぶを紹介したい!
…けど、そんな余裕もないので、今日は、その中から、難しい審査を経て各賞を受賞したスタートアップを紹介します。

まずは、総合グランプリにあたる「スタートアップ大賞」
こちらは、「PicoCELA株式会社」が受賞しました。おめでとうございます!

協業内容は「無線マルチホップ技術による屋外無線LAN環境構築」
独自の技術で、「スマホがつながらない」問題を解決します。インバウンド旅行者の不満の上位常連が、スマホ等の通信がつながらないこと。同社の技術を使うと、無線LAN環境を低コストで早期に整備できます。

今回挑戦するのは、八甲田山やガーラ湯沢などの屋外施設。うまくいけば、八甲田山の樹氷が、SNS等で全世界に向けてリアルタイムに発信されるかもしれません。
さらに、トンネルや新幹線車両、駅ナカ、駅ビルなど、幅広い利用シーンが見込まれます。リアルもネットも高速で!そんな未来を実現できるといいですね。

続いて、「最優秀賞」。こちらは、アクセラレーションコース、インキュベーションコース、各1社です。

「アクセラレーションコース最優秀賞」は、「メトロエンジン株式会社」でした。おめでとうございます!
同社は、AIを活用した需要予測に強みを持つスタートアップです。AIって、ビッグデータと相性がいいんですよね。

12/3からの大宮駅「STARTUP_STATION」では、AIが新幹線の混雑予想をして、それを掲示します。
また、さいたま新都心駅をフィールドに、小売りや飲食、ホテル等のAIによる効率的な運営に挑戦します。同駅はイベントが多く、旅客流動の変動が大きい駅。AIで需要予測を適切にできれば、機会ロスの削減や人手不足対策に役立つかもしれません。

「インキュベーションコース最優秀賞」は、「株式会社ANSeeN」でした。おめでとうございます!
同社は独自の高精度X線センシングの技術を持っていて、従来のX線との違いは明らか。まだ研究・検証段階ですが、実用化されれば、きっといろんな課題を解決する技術だと思います。

今回、同社の提案する内容は、「新幹線自動改札での手荷物検査装置」です。
これについては、贈呈者のJR東日本喜勢常務がすばらしいコメントをおっしゃってくれました。「世界で最も安心安全な日本の新幹線。それをさらに強化する技術だと思う」。
この言葉には、ANSeeNのみならず、同社がこの提案に至るまで苦しんだ経緯を知っている私も、正直グッと来ました。喜勢常務、ありがとうございました。

そして、今回サプライズとして追加された賞が「青森市長賞」です。
なんと、青森市の小野寺市長自らが緊急来場。賞を贈呈してくれました。ほんと有難うございます。
そんなびっくりな「青森市長賞」を受賞したのは「株式会社ファーメンステーション」です。

テーマは、「発酵技術を活用した地域循環モデルの構築」
同社は、米を原料としたエタノールをつくる独自の技術を保有しています。今回、青森と連携して、米ではなく「りんご」を原料としたエタノールづくりに挑戦します。

この技術がすごいのは、化粧品等に使われるエタノールの生成だけでなく、原料を再利用して、廃棄物ゼロの社会を実現しようとしていること。今回もりんごカスは、鶏等の家畜のえさに再利用します。すごいですよね。
ちなみに、青森市長賞の副賞は、青森の美味しいりんごの箱詰めでした。りんごづくし!

さらに「優秀賞」には、協業内容「AIによる設備・機会の新たな運用方法の実現」をプレゼンしてくれた「株式会社エイシング」

そして、協業内容「カメラレス・センサーレスの侵入監視で安心安全な工事の実現」をプレゼンしてくれた「Origin Wireless Japan株式会社」の2社が選ばれました。おめでとうございました!

惜しくも受賞は逃したものの、他の提案も、いずれも素晴らしい内容、見事なプレゼンでした。みんな、短期間で、よくここまで仕上げたなぁ。すごいっ!
あらためて、スタートアップの皆さん、そしてJR東日本の横断プロジェクトのメンバーの皆さんに、心から敬意を表します。本当にありがとう

…ただ、「JR東日本スタートアッププログラム」は、ここで終わりではありません。
むしろここがスタートライン。始発駅です。

スタートアップ企業の皆さんとつくり上げた共創プランは、実際に、JR東日本のインフラを使った実証実験を行います。
そのスタートとなるのが、大宮駅「STARTUP_STATION」です。
12月3日から9日まで、大宮駅で、一部の実証実験と共創プランのデモ展示を行います。
ぜひお時間のある方、関心のある方は、足をお運びください!

23の新しいパートナーと一緒にチャレンジする、23の新しい事業創造。またどこかで紹介したいと思います。

皆さん、よろしくお願いします。

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