
こんにちは。鉄道員(ぽっぽや)社長の柴田です。
先日開催された「第13回JR東日本スタートアッププログラムDEMO DAY」。
前回のブログでは、見事にスタートアップ大賞を受賞した㈱Thinkerの共創ピッチについてお届けしましたが、今回のDEMO DAYにはもう一つ、絶対に外せない重要な「主役」がありました。
それが、今回のサブテーマとして掲げた「JTOS」(ジェイトス)。鉄道横断型社会実装コンソーシアムです。

これは、会社の垣根を越え、複数の鉄道事業者がワンチームとなって、スタートアップの技術やアイデアを社会に実装していこうという挑戦です。
構成企業は、JR東日本スタートアップ、東急、小田急電鉄、西武ホールディングスの4社。それぞれの頭文字を合わせて「JTOS」と名付けました。
今回は、私がオープニングのあいさつで語ったJTOS誕生の裏話や、当日の特別ピッチ、そして熱気に満ちたブース展示の模様を、余すところなくレポートしたいと思います。
コロナ禍の悔しさから生まれた「JTOS」の原点
今回のDEMO DAYでは、その時々の挑戦を象徴するサブテーマとして、「JTOS」を大々的に打ち出しました。
繰り返しになりますが、これは、複数の鉄道事業者がワンチームとなって、スタートアップの技術やアイデアを社会に実装していこうという、前代未聞の挑戦です。
何でこんなことをしようと思ったのか。ときは、2022年にさかのぼります。
当時はコロナ禍の真っ只中。移動が消滅し、鉄道会社はどこもボロボロの状態でした。
何より悔しかったのは、私たちの仲間が駅や列車の中で、「鉄道を利用しないでください」「移動を諦めてください」とアナウンスしなければならなかったこと。あの時の悔しさは、今も忘れることができません。

「このままではいけない。なんとかしよう」。
そんな強い危機感と思いから、まずは東急さんとJRでラフな打ち合わせをしたのがすべての始まりでした。
当日、会場のスクリーンで、そのときの打ち合わせ資料を、そのまんまお見せしました。
個人的にも思い入れの強い10数枚のスライド。そこにはこんなコンセプト(のようなもの)やルール(のようなもの)が書かれていました。
スタートアップは、競争ではなく、協調である。
めざすのは、日本最大の社会実装プラットフォーム。
○○電鉄のため、JR○○のためはやめよう。目線は、地域のため、より良い社会のため。
本音で話そう。裏切らない、チクらない。
フリーライドOK。ただ、いつも乗るだけでなく、たまには乗せてね。
合言葉は……「鉄道×スタートアップ」で、ニッポンを元気にしよう。
この思いに小田急さん、西武さんにも共感して加わっていただき、4社で「鉄道版スタートアップエコシステム」を創り上げました。
「挑戦を社会実装へ、共に道を拓く」「挑戦者の想いを、未来の当たり前に」。
このビジョンのもと、会社の枠組みを超えた新たな共創がすでに次々と動き出しています。

会場を沸かせた「JTOS特別ピッチ」:バイオーム & アイカサ
DEMO DAYのステージでは、JTOSの社会実装フィールドから生まれた具体的な事例として、2つのスタートアップによる特別ピッチが行われました。
1. 株式会社バイオーム
いきものコレクションアプリ「Biome」(バイオーム)を活用し、鉄道各社の沿線全体を巻き込んだ生物多様性(ネイチャーポジティブ)への取り組みをプレゼン。1社だけでは成し得ない、広大な鉄道ネットワークを掛け合わせた環境先進的な実証実験の成果と今後の広がりに、会場からは大きな関心が寄せられました。

2. 株式会社Nature Innovation Group(アイカサ)
傘のシェアリングサービス「アイカサ」の普及により、雨の日の移動ストレスを無くすだけでなく、使い捨て傘の廃棄ゼロを目指す挑戦。駅の利便性を高め、サステナブルな街をつくるという鉄道4社共通の未来像を、具体的なデータとともに力強く語ってくれました。

熱気に包まれた4社連携のブース展示
ピッチステージの熱量は、そのまま展示ブースへと連鎖していました。
会場に設けられたJTOS参加企業(JR・東急・小田急・西武)と採択スタートアップの共同展示エリアは、終始、多くの来場者で大賑わい。
「生物多様性への取り組み」「二次交通の課題解決」「傘のシェアリング」といった、まさにこれからの街と暮らしを豊かにする具体的なソリューションが、各社の駅やアセットとどう掛け合わされているのか。
鉄道会社の垣根を越え、実務担当者たちが横並びでスタートアップと共に熱っぽく説明している姿は、まさに私たちが目指す「超現場型・超実務型の社会実装プラットフォーム」そのものでした。
来場された皆さんも、単なるアイデアに留まらない「リアルな社会実装」の手応えを、五感でたっぷりと体感していただけたのではないでしょうか。


最後に:共にニッポンの未来を動かしていこう
「鉄道×スタートアップ」で、ニッポンを元気にしよう。この思いは、今も1ミリも変わっていません。
ひとつの鉄道会社だけでは越えられない壁も、4社がワンチームとなり、スタートアップの技術やアイデアと掛け合わせれば必ず突破できると確信しています。
そんな、大企業らしからぬ(?)勢い先行・前のめり型の仕組みがウケたのか、最後の仮屋園聡一さん(㈱グロービス・キャピタル・パートナーズ共同創業パートナー)の総評で、このJTOSの取り組みが、なんと「総評賞」なる特別賞をいただきました。
この思いもよらぬ栄誉を胸に、これからもJTOSの取り組みを加速していきたいと思います。

挑戦を社会実装へ、共に道を拓く。挑戦者の想いを、未来の当たり前に。
挑戦のプラットフォーム「JTOS」は、24時間365日、共に道を拓く挑戦者の応募をお待ちしています。
ご関心のある方は、以下からエントリーしてください(図をクリックすると「JTOS」HPにリンクします)。
挑戦者の皆さん、共にニッポンの未来を動かしていきましょう!



