こんにちは。鉄道員(ぽっぽや)社長の柴田です。
3月某日、JR東日本スタートアッププログラム2022春募集の成果報告会を開催しました。
これが何かというと、2022春募集で練り上げた10の事業共創プラン…その実証実験の成果を報告するものです。
よく混同されるのですが、これは昨年11月に開催した2022春募集DEMO DAY(発表会)とは別物です。
私たちは、「スタートアップ×JR」で創り上げた事業プランを、年度内に実証実験することをコミットしています。
なので、毎年度末のタイミングで、実際に実証実験の結果をきちんと整理することにしているんですね。
DEMO DAYが「選手宣誓」のような場だとすれば、成果報告会はその宣誓を実証する「強化試合」のようなもの。これらを踏まえて、事業という本当の「試合」が始まります。
募集からDEMO DAYまで半年くらい、そこから実証をして成果報告会まで半年くらい。
私たちからしてみると、この5年ずっと続けてきた1年間の変わらぬ流れ。試合前のルーチン…。
ただ、先般開催した成果報告会で、この流れがうちの強みではないかという指摘をいただきました。
当日、チームメンバーであり新規事業家である守屋実さんが、全体を通じた総括としてこんなコメントをされたんです。
募集からデモデイまで半年、デモデイから成果報告会まで半年。この活動、通常はこの後半がない。デモデイから成果報告会までの時間帯がある我々は何なのかというと、本当にやることが前提だからだと思う。実はめずらしい話し。多くの場合は、言ってはいるけど、やること前提ではない。本当にやるのである、やるためにたまたまアクセラっぽいことをやってるのである。そんな会社は実は少ない。我々JRの「本当にやる」というのが、今日もまた再確認できた。すごくいい場だと思いました。わが社の課題はわが国の課題。そういったことをスタートアップと共に、引き続き解決していきたい。プレゼンの中にもあった最終報告までの間の現場の皆の頑張りのように、「実際にやるのだ」という文化を大事にしていきたい、本当にそう思いました。
(守屋実さん総括コメント@成果報告会)
自称「事業を創るCVC」を標榜する私たちとしては、まさに魂のど真ん中に刺さるコメントです。
「本当にやること」前提の精神は、これまでずっと刻んできましたし、なんか、そうじゃないやり方はとれない身体になっています。
この成果発表会のなかでも、DEMO DAY以降の現場レベルでの、本当にやるために試行錯誤する様が語られました。
ある事業プランは、いざ実証実験となる過程で何度も頓挫しそうになりますが、小さいながらも結果が見えてきたことで展開が広がっていきました。
ある実証実験では、JRの持つ研修施設のモックを開放、スタートアップの若手エンジニアが冷たい雨の降りしきる中、何度も何度もレールスターを走らせデータ収集に励みました。
同じように、過酷な山岳部の鉄道沿線での実証実験に立ち会うスタートアップの経営者、現場レベルで試行錯誤を繰り返すJR若手社員の姿もありました。
スタートアップ、JRの現場社員ともに、「本当にやること」だけ考えて取り組んでいます。
そもそも、今回のプログラムには、JR側から課題を発信してスタートアップの提案を募る課題先行型マッチングイベント(通称「逆ピッチ」)からの事業プランが3社3件含まれています。
さらには、DEMO DAYの後に、それを見た現場から「この問題も解決できるのではないか」といった持ち込みがあって、思わぬ活用の場が見つかったケースもあります。
報告会当日も、プレゼンを聞いた実務担当者から「〇〇のような場面で使えないか」といった質問や意見がありました。
こうした現場レベルでの問題解決に向けた思いの強さには超感服です。鉄道員(ぽっぽや)として誇らしく思います。
それを受けたスタートアップの、テクノロジーをアップデートして追加PoCを行う前向きな共創姿勢にも超感謝です。ほんとありがとう、共創パートナーになってくれて。
そうした「本当にやること」前提の取り組みが強みかどうかはよく分かりませんが、あらためて守屋さんのエールを受けて、それを貫きたいなと思いました。
結構しんどいんですけどね…実際に潰れる場面も多いので(苦笑)。でも、諦めず挫けず、これからも「実際にやるのだ」という文化を未来に繋げていきたいと思います。
スタートアップの皆さん、JRの事業部門の皆さん、この1年ありがとうございました。
ただ、本当の試合はこれからです。今回の実証実験の結果を踏まえて、そこで明らかになった課題をクリアして、「本当にやるのだ」をカタチにしていきましょう。
これからもよろしくお願いします。侍ジャパンに負けないくらい、快進撃を続けましょう!