
2025年2月20日、JR東日本スタートアップは創立7周年を迎えることができました。
奇しくも先般、創業以来取り組んできた「JR東日本スタートアッププログラム」は10回を数えるに至っています。
ここまでやって来れたのも、私たちと共創に挑んでくれた全てのスタートアップの皆さんのおかげ…。
そんな起業家の皆さんへの感謝の思いを込めて、その7回目の創立記念日に、私たちのスタートアップ共創に悪戦苦闘した日々をまとめた本をリリースしました。
「0哩(ゼロマイル)からの挑戦」。通称「SUP本」。
創業から私たちを支えてくれた守屋実さんに筆をとっていただき、JR東日本スタートアップ創業メンバーがインタビューに応えるという形式で、この7年の歩みを生々しく辿りました。


この本、出版も販売もしませんが、これまでお世話になった方々やこれからスタートアップしたい皆さんに献本(電子ですが…)はしたいと思います。
ご関心のある方は、文末に専用の申込URLを貼ってますので、そちらからお申し込みください。念のためですが、無料です。
そしてこの本、「共創」が一つのキーワードになっているのですが、それを象徴するかのように、冒頭の部分から共創がはじまっています。
もしかしたら、ここまでスタートアップに夢中になったのは、この人のおかげかもしれない…。本書の著者・守屋実さんと、このSUP本に込めた思い「はじめに」を共創させていただきました。
今回、守屋さんのOKもいただいて、SUP本の「はじめに」の部分を貼って、この本の紹介とするとともに、創立7周年の御礼に換えたいと思います。
ありがとうございます&これからもよろしくお願いします。
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「己が走る」と書いて、起業の「起」となる。
「人が止まる」と書いて、企業の「企」となる――。
漢字の語源は異なるらしいが、現在の我が国の事業立上げの“現実”を表すものとして、おおよそ正しいのではないだろうか。しかし、JR東日本は誰もが知る日本を代表する大企業でありながら、「己が走る」を体現した。そして、いまなお走り続けている。
この希少性はなぜ実現できているのだろうか。
僕はJR東日本スタートアップに参画している新規事業家として、「その価値と真実を伝えたい」と強く思い、筆をとった。JR東日本スタートアップの立ち上げ期は、JR東日本が掲げるビジョン・中期経営計画に従い、がむしゃらにその目標達成に向けて邁進した。
このときに生まれたのが、JR東日本の駅売店キオスクが抱える課題を解決する「TOUCH TO GO(タッチトゥーゴー)」である。2020年にはCOVID-19が発生し、世界的なパンデミックに陥る。世界各国で感染拡大を抑えるために外出を制限するロックダウンの政策がとられた。
これにより、JR東日本社員が自ら「鉄道に乗らないでください」と注意を告げなければならなかった。これまでの自社のアイデンティティが崩壊する出来事であった。従来の価値観を覆され、何をすればいいのか。否応なしに見つめ直す機会となった。
結果、鉄道輸送業にとらわれない、けれどJR東日本のDNAを色濃く映し出す「地域共創」「デジタル共創」「地球共創」の3つの共創に舵を切る決断をくだした。コロナ禍を超え、JR東日本スタートアップは躍進期を迎える。「JR東日本ローカルスタートアップ合同会社」を設立し、「課題先行型ピッチ」も充実した。
さらに、JR東日本を起点とするインフラ管理2.0の経済圏を確立するために「CalTa(カルタ)」を設立。社会課題解決に向けてひらすらに走り続けている。2025年、現在。JR東日本スタートアップは変革期を迎えている。
これまで7年間にわたり共創を果たした数々のスタートアップが登壇した「第10回JR東日本スタートアッププログラム」を成功させ、また新たなステージにあがる。
組織内では、立ち上げから続いていた人事固定期が終わり、創業メンバーが抜け、新たなメンバーが加入する新体制へと移行している最中にある。日本社会において、JR東日本スタートアップがある種の成功を掴みとったことは間違いない。
しかし、そこで安住していることはできない。新規事業の世界では常に変わり続けていくことこそ、勝ち続ける道だからだ。JR東日本スタートアップはさらなる躍進を目指し、新たな挑戦に踏み出している。いわずもがな、JR東日本は元国鉄である。誰もが知るこの企業が、スタートアップと同じスピード感で動くことができている。
この本を読むあなたが純民間企業の一人であるならば、元国営であるJR東日本と同じことができないはずがない。今こそ、企業の「企」を「人が止まる」から「己が走る」に変えていただきたい。この一冊がたくさんの企業の後押しになるように。力戦奮闘を心から期待している。
守屋実
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ほんとうに走り続けた日々でした。
はじめは、どこを走っているかもわからず、地図もなくガイドもなく、ただひたすら前へ前へと、無我夢中に突き進んでいたように思います。
JR東日本スタートアップ。「JR東日本」と「スタートアップ」という、全く異質なものをくっつけた会社名。
そんな「混ぜるな危険」を標榜したような会社は、案の定、数々の山や谷にぶつかって、一時は瀕死の状態になりますが、とにかく走ることはやめませんでした。気づけば7年。JR東日本とスタートアップ企業の事業共創に挑戦する「JR東日本スタートアッププログラム」は、つい先ごろ10回を数えるに至りました。
このプラグラムは、これまで応募総数が1507、事業プランを練り上げて137の実証実験を行なって、その中から66の新規事業が生まれています。なぜ、ここまで走り続けられるんだろう……。たぶん、それは一人じゃないからなのだと思います。僕らは「共創」を掲げて、常にスタートアップと一緒に、新たなチャレンジを行っています。
この一緒に走るスタートアップ、起業家の皆さんの熱量がものすごい……。夢や実現したい未来に向けて一心不乱に突っ走っているんです。その熱量を浴びると僕らも、駆けずにはいられなかったのです。今回、そんなスタートアップとJR東日本との共創の歩みを「書籍にしたい」という企画をいただいたとき、はじめは断りました。
走り続けているだけだし、誇れるものはないし、飾りたくもない。面倒くさそう、怒られそう……。でも今般、JR東日本スタートアッププログラムが節目の10回目を迎えて、記憶も薄れ人も替わるなかで、これまでの取り組みをなんらかの形で記録に残しておくのは意味があると思いました。
特に、一緒に走り続けてきたスタートアップの皆さんへの感謝の印として、この記録を残すことが彼らを含めた起業家たちの夢の実現に少しでも寄与するならと思い、僕らの共創の軌跡を生々しく刻んでおこうと思いました。新たな挑戦を始めようとするすべての起業家そして企業人のために、この記録が少しでも役に立つのであれば嬉しい限りです。
JR東日本スタートアップ創業メンバーを代表して
代表取締役社長 柴田裕
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「0哩(ゼロマイル)からの挑戦」(著:守屋実、協力:JR東日本スタートアップ創業メンバー)。
ご関心のある方は、以下のURLからお申し込みください(期間限定)。
【申し込みURL/QRコード】※Googleフォームよりお申込みください。
https://forms.gle/hv3tdwjysgE1WKKb8
