バリアフリーeスポーツを起点とした共生社会の実現へ

こんにちは。鉄道員(ぽっぽや)社長の柴田です。

「スタートアップ×JR」で新しい未来を創る「JR東日本スタートアッププログラム」
先日(6/6)、2023秋募集の採択企業を一堂に会して、DEMO DAY(発表会)を開催しました。

登壇したのは、新たに共創パートナーに加わったスタートアップ8社
高速・高精度な点群データ処理による鉄道DX、地方の一次産業の人手不足解消、バリアフリーeスポーツ、VTuberによる推し活など、今回も多種多様なラインナップとなりました。

手前味噌になりますが、このフィールドの大きさや多様性が、私たちJRの強みなんだんろうと思います。懐が広いというか、「バッチ来い」精神というか…。
どれもこれもすばらしいプレゼンだったのですが、今回は特に、スタートアップ大賞をとった㈱ePARA(以下「ePARA」)を紹介したいと思います。


バリアフリーeスポーツの普及展開や障害のある方の就労支援に取り組むスタートアップ「ePARA」
JR東日本スタートアッププログラムで挑戦するのは「バリアフリーeスポーツを起点とした共生社会の実現」です。

登壇したのは、同社の江頭実里さん。先天性弱視だった彼女は、18歳から全盲となりました。
自分に何ができるか分からず進路に悩んでいた彼女は、大学4年のある日、全盲者によるeスポーツ大会「心眼CUP」と出会います。

そこには、全盲のプレイヤーが夢中で競い合い、健常の観戦者が楽しんで応援する、共生社会が広がっていました
こうした社会をつくりたい、ここで働きたい…。実里さんは、この大会を運営していたePARAにすぐに連絡して、そこで新たな社会人生活に踏み出しました。

ePARAとの出会いによって自身も新たな挑戦に踏み出した実里さんは、さらにもう一つの出会いをむかえます。
それが、私たちJR東日本スタートアップとの出会いでした。社会インフラを担う駅や鉄道から、障害のある方のもつ可能性をひろく発信できないか。駅と鉄道から、共生社会を実現できないか…。

それは、私たちJR東日本グループが実現したい未来のカタチでもありました。
未来変革パートナーシッププログラムさらにはJR東日本スタートアッププログラムへの応募を経て、強いタッグを組んだePARAとJRは、その夢の実現に向けて共創プランを練り上げていきます。

最初の共創の場となったのは、JR東日本が運営するフィットネス施設「JEXER」でした。
これも懐の広いJR東日本グループの面目躍如ですが、このJEXERで新たな領域としてeスポーツ事業に取り組んでいたのです。

手始めとして、このJEXERの運営するeスポーツ拠点で障害者による「心眼PARTY」を実施しました。
私もそのとき、はじめて障害者によるeスポーツイベントに参加したのですが、その熱量に圧倒されました。会場にいた皆が一体となって、試合に熱中し歓声を上げる…。ボーダレスな共生社会がそこに広がっていました。

めざす姿を共有した私たちは、さらなる共創チャレンジとして、JR東日本の所有するビルにおいて「逆求人型ePARA就活フェス」を実施。
さらにJEXERとは、障害当事者がゲームをコーチングする「バリアフリーeスポーツスクール」の企画を進めています。

私たちが共通してめざすのは、言うまでもなく「共生社会の実現」です。
これらJR東日本との共創をきっかけに、むしろそれを踏み台にして、駅と鉄道から広く社会へ。提携企業の増加とエリアの拡大を成し遂げていければと思います。

マイ・ストーリーから会社のストーリー、そして共生社会の実現に向けた物語へ…。
DEMO DAYのプレゼンは、未来に向けて力強い一歩を踏み出した実里さんのこんな言葉で締めくくられました。

私が全盲になる直前、最後になるかもしれないと思い、長崎の夜景を見に行きました。1000万ドルの夜景と評される長崎の光…手術を控えた私の眼にもとてもまぶしく感じました。
あれから5年、私はePARAで当時の私には想像できなかった沢山の景色を見れています。それは、視力を失った一方、仕事や挑戦する舞台を得られたからこそ見えた景色だと感じています。
仕事や挑戦する舞台は、自分自身を成長させてくれる大切な機会。JR東日本スタートアッププログラムで障害当事者の成功事例を増やすこと、誰かの夢や好きなことを支える人になることで、持続可能な社会の一助となることを祈っています。
eスポーツを起点に、障害当事者が躍動する共生社会へ…。

(ePARA 江頭美里さんのプレゼンテーションより)

私たちは、ePARAと一緒に、共生社会の実現に向けて、挑戦しつづけたいと思います。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事