第12回デモデイ報告!スタートアップ大賞"おてつたび"が描く「地域共創」の希望

こんにちは。鉄道員(ぽっぽや)社長の柴田です。

第12回目となる「JR東日本スタートアッププログラムDEMO DAY」を開催しました。
2025年12月4日(木)、JR新宿駅LUMINE0<ルミネゼロ>。
師走のお忙しい時期にもかかわらず、たくさんの方にご来場いただき、本当にありがとうございました。

当日は、新たに共創パートナーとなった8社がピッチステージで共創プランを発表。
さらに、OB/OG含む22社の共創スタートアップが、共創の進捗と成果をブースで紹介。
主催者の私たちまで、スタートアップの皆さんの熱量をたっぷり体感できる、濃密な1日となりました。

(ピッチステージ風景)

なかでもハイライトは、2025春募集プログラムで新たに採択された8社のピッチステージです。
「地域共創」「デジタル共創」「地球共創(SDGs)」の3つの重点テーマで、JR東日本のアセットとスタートアップのアイデア/技術が掛け合わされた、多彩な事業共創プランが発表されました。

今回は、そんな新パートナー8社の中から、スタートアップ大賞とオーディエンス賞をダブル受賞した、株式会社おてつたびを紹介しましょう。
「おてつたび」は、「お手伝い」と「旅」を組み合わせ、"お手伝いしながら知らない町へ旅に出よう"という新しい旅のカタチを提案するサービスです。

人手不足に悩む地方の事業者(農家、旅館、ホテルなど)と、「働きながら旅をしたい」旅行者をマッチングします。
地域の課題解決と関係人口の創出。その両方を「旅」で実現しようという、なんとも秀逸で魅力的なビジネスモデルです。

(「おてつたび」代表の永岡さん)

特筆すべきは、おてつたび参加者の約6割が、その後も地域との関わりを継続しているというデータ。
これは、おてつたびが一過性のものではなく、地域のファンづくり、ひいては定住・移住への布石となっていることを示しています。

「直近の課題である人手不足を、人や地域との出会いに変え、日本各地に人とお金と想いが巡る世界を目指しています」。
そう、代表の永岡さんは事業にかける熱い思いを明かしました。それは、私たちが「地域共創」で成し遂げたい未来でもありました。

おてつたびとJR東日本が共創で目指す未来は、「"地域貢献"をする新しい旅のあり方をスタンダードに」すること。
具体的な共創プランとして発表したのは、JR東日本のシニア向け会員組織である「大人の休日倶楽部」と「おてつたび」のコラボレーションでした。

(プレゼン風景)

人口減少が進む日本において、元気な「アクティブシニア」は2000万人以上いると言われ、その潜在力は計り知れません。
「アクティブシニアを日本の希望に変えたい」。この"希望"を"現実"にするのが、全国の交通網と290万人ものシニア会員基盤を持つJR東日本との共創です。

すでに、手始めとして「大人の休日倶楽部」会員向けの説明会を共同で開催。想定を大きく上回る応募があり、関心の高さを確認できました。
今後、アクティブシニアの皆さんが、地域の「働き手」かつ「ファン」として旅に出かけてくれるよう、二の矢三の矢を放っていくことになります。
おてつたびとJR東日本の共創は、まさに今出発したばかり。行き先は、「地方が元気になる未来」です。この共創旅は必ず完走させたいと思います。

(「おてつたび」実証実験概要)

これほどまで好相性を見せる「おてつたび」と「JR東日本」ですが、今回の共創に至るまでは長い道のりがありました。
実は、おてつたびの永岡さんは、当プログラムの最初期から何度も応募を続けてくれました。ただ、そのときは具体的な共創プランに至らず、そのうちにコロナがやってきて、事業そのものが難しくなって…。

それでも、永岡さんは諦めませんでした。初期は学生中心だった対象を、シニア層にも広げマーケットを再定義したのも、そんな苦境を乗り越えるための挑戦だったと聞いています。
私は、この粘り強さと事業を貫く信念を心からリスペクトします。今回、晴れて共創パートナーとなり、スタートアップ大賞を受賞したことには、私自身も格別な思いを感じています。

(表彰式)

表彰式のスピーチ。数々の苦難を乗り越え、「日本にとって必要だと信じて貫いてきた」と、涙ぐみながら話す永岡さんの姿に、会場全体が心を揺さぶられました。
オーディエンス賞とのダブル受賞は、そんな永岡さんの思いが、会場の皆さんの心に深く響いた証拠だと思います。

あらためて、スタートアップの皆さんの未来への熱量に感謝いたします。いつも私たちの背中を押してくれてありがとう。
これからも、"スタートアップ×JR"で未来を共に創る「共創」を、ぜひ一緒に、力強く推進していきましょう。

共創旅は、まだまだ続きます。果たして、どんな未来へ向かうのか…。乞うご期待!

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