第12回デモデイ続報!"スタートアップ×JR"で挑む多彩な事業共創

こんにちは。鉄道員(ぽっぽや)社長の柴田です。

前回のブログでは、第12回デモデイのハイライトとして、大賞とオーディエンス賞をダブル受賞した、株式会社おてつたびの共創プランを紹介しました。
今回採択された8社には、JR東日本の持つアセットを活用して、多彩な角度から挑戦する共創プランが満載です。
今回のブログでは、優秀賞、審査員特別賞、さらに入賞を果たしたすべてのスタートアップの共創プランを、一挙に紹介しましょう。


まずは優秀賞を受賞した「株式会社Curiositas」。共創プランは、「AI活用による膨大な図面・関連文書の照合作業の変革」です。
Curiositas社は、AIを活用して図面と関連文書の照合作業を革新し、設備機械、建設、インフラ業界で発生している膨大なアナログ業務をDXすることを提案しています。

(Curiositas 佐藤さん)

同社の最大の強みは、図面(CAD)を画像としてではなく、AIが解析しやすい座標表現された「グラフネットワーク形式」に変換する技術です。
もともとの専門領域である化学構造式解析の知見を応用し 、鉄道設備図面に記載されている要素や関係性を座標データとして処理することで、高いAI親和性を実現しています。

今回取り組む対象図面では、積算資料などの照合・突合に1件あたり約7日間かかっているものを 、AI活用により約1日に短縮することを目標としています。
すでにサンプル調査では高い精度も達成。今後、機械図面での実証実験を経て、他の鉄道設備に展開、さらにはインフラ業界全体への水平展開を目指していきます。

(実証実験概要)


続いて審査員特別賞が2社。はじめに「LiLz株式会社」を紹介しましょう。
共創プランは、「巡回点検を変える。IoT/AI技術によるリモート化・高度化・予兆検知」です。

(LiLz 髙木さん)

電源・ネットワーク工事が不要なIoTカメラで、アナログ計器の自動読み取りや、画像上の異常・変化の数値化・発報を行えるのがLiLzの技術。
この技術の有用性に着目した、JR東日本グループのGALA湯沢がリフト等の点検に導入。膨大な人手のかかある作業時間の削減と投資負担の削減を目指します。
今後は、画像だけでなく振動などの五感情報や外部データも組み合わせた予兆検知に挑む計画。鉄道施設への展開も視野に実証と開発を進めていきます。

(実証実験概要)

審査員特別賞、もう1社は「VIE株式会社」。共創プランは、「脳科学とJR現場が共創するウェルビーイングの世界〜『音』で創る鉄道の安全性・生産性向上〜」です。
脳科学を活用した「ニューロミュージック」技術で、人々のウェルビーイングと鉄道の安全性・生産性向上を目指します。

(VIE 今村さん)

共創のテーマは「睡眠」です 。夜間勤務者の深刻な睡眠課題(浅い仮眠、シフト交代の頻繁さなど)に対応するため、音と光で脳を刺激するニューロテック搭載の仮眠サポートアイマスク「NeuroSleeper」を開発。
このデバイスと、電車音を周波数解析して生成した入眠ニューロミュージックを活用した実証実験を夜間労働の現場で実施します。
夜間関連市場でタフな睡眠課題を解決、この知見を活かして、巨大スリープテック市場での睡眠課題解決に挑みます。

(実証実験概要)


そして、入賞の4社も紹介しましょう。
まずは、Gigi株式会社。共創プランは、「食を起点に、共助と循環が生まれる駅へー駅から拡がる、支え合いの仕組みー」です。
あなたのJREポイントを通じた寄付が、子どもたちの食に変わります。駅・駅ビルを拠点に「共助」のエコシステムを実現!実証事件の概要は次のスライド図をご覧ください。

(Gigi 杉山さん、実証実験概要)

2社目は、株式会社MISOVATION。共創プランは、「次世代味噌汁体験が創る新しい地域活性化」
駅弁のお供は、コーヒーではなく、身体にやさしい味噌汁に?鉄道利用者の新たな健康習慣を構築、さらに地域の味噌蔵を未来につなぐ!実証事件の概要は次のスライド図をご覧ください。

(MISOVATION 斉藤さん、実証実験概要)

3社目は、株式会社ACIMUS。共創プランは「会話型生成AIが創るBIMモデル構築の効率化」
生成AIは建築図面の分野へ…。会話型AIであなたもBIM図面が作成できる?鉄道施設のBIMモデルの効率化に挑戦します!実証事件の概要は次のスライド図をご覧ください。

(ACIMUS 菊池さん、実証実験概要)

4社目は、株式会社Spacewasp。共創プランは「植物性廃棄物でつくる地域のつながりとサーキュラーエコノミーの実現」
厄介な植物性廃棄物が身の回りを彩る家具に変わる?駅や高架下をリサイクルステーションに!廃棄コストの削減にも挑戦します。実証事件の概要は次のスライド図をご覧ください。

(Spaceawasp 瀬戸口さん、実証実験概要)


以上、前回のブログと合わせて、新たな共創パートナー8社、共創プランと共にぜんぶ紹介しました。
あらためて、そのバラエティな布陣に、我が事ながら驚きます。化学構造式や脳科学、味噌汁からサーキュラーエコノミーまで…。

多彩な起業家たちに多彩なフィールドを提供できるのも、広範なインフラを持つJR東日本の強みなのでしょう。
そして、そうしたフィールドを活かして、新しいビジネスアイデアや技術を社会に実装できるのが、私たちの共創の強みであり、醍醐味なんだと思います。

これからも、起業家の皆さんの夢を社会に実装していきます。皆さん、未来を共に創る「共創」、力強く推進していきましょう!

■共創パートナー8社ぜんぶの実証実験概要をご覧になりたい方は、こちら

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